このエントリは Mozilla: For the Record » Blog Archive » When It’s Ready の私的な翻訳である。 著者は Asa Dotzler で、公開されたのは 2008/02/11 付けと古い記事だ。 お読みになればわかるように、Firefox 3 ベータ 3 がコードフリーズされたあたりの記事である。 Namoroka (現時点では Firefox.next の方がわかりやすいかも) でリンクされていて、未読だったのに気付いた。 去年の 2月と言えば Firefox 3 Hacks の企画を通そうとしてあれこれ画策していた時期なので、チェックがおろそかになっていたのかもしれない。 dynamis さんが時々口走る "When it’s ready" を解説した記事なので、Firefox 3.5 Preview だの RC だのがリリースされているこの時期に読み直すのも一興かと思い訳出してみた。 忙しい人の為に一行要約。 「Mozilla 製品のリリース時期決定には、スケジュールより品質を重視している」 我々がもう一つの Firefox ベータ版(4番目)をスケジュールに追加した事は、先週、各所の記事やブログに取り上げられた。ベータ 4 について触れた記事の多くは、いずれリリースされるベータ 3 の方に焦点を当てたものだったが、ベータ 4 が追加された理由について考察した記事もいくつかあった。 下記にリンクした記事(訳注:いずれも古い記事なのでリンクは省略。興味のある人は原文を参照)が伝えているように、我々がもう一つのベータ版を追加した理由は、洗練とパフォーマンスとメモリと全体の品質の面で、さらなる改善を行なうためだ。ここで、次のような疑問が生じる。Mozilla が、既存のスケジュールにこだわるか、それともスケジュールを見直すかは、どのようにして決定されるのか。これが本記事を書くに至った動機だ。 実のところ Mozilla の製品サイクルは、多くのソフトウェア会社のそれとはかなり異なっている。私は Firefox 3 のリリースを担当している Mike Beltzner に、相違点のいくつかと、それがもう一つのベータ版を追加するという決定にどのようにかかわっているのかを説明してくれ、と頼んだ。 <以下、引用部分。Mike Beltzner の文章と思われる> まず最初に、最も重要なことを述べておきます。私たちのプロジェクトを左右しているのは品質であって日付ではない、ということです。マイルストーンの目標を定めるのに日付を用いますし、最良のマイルストーンを公開するべく必死で努力します。しかし、ウェブの世界は変化が激しく、そのマイルストーンが品質、パフォーマンス、そして使いやすさにおいて、私たちの基本的な基準を満たしているかをマイルストーンごとに判定しています。もう一つの要素として、私たちが品質を判定する際に、コミュニティによるベータ版のテストを信頼している、ということがあります。百万人近い強力なベータ版ユーザーから得られるテスト使用のデータによって、出荷できる製品になったという確信を持つことができるのです。 ベータ 4 の追加という件に関して言えば、選択肢は二つありました。一つは、ベータ 3 のリリースを先に延ばして、現在進行中のパフォーマンスとメモリと使いやすさに関する作業の成果を取り入れる。もう一つは、ベータ 3 を早期にリリースして、過去一月半の(コミュニティからのフィードバックによる)様々な改善点に対するテストを行なう、です。最新の改善が成果を出すまで待つのではなく、ベータ 3 をリリースしておいてもう一つベータを追加する、というのが私たちのベータテスターにとって最善の方法であると考えました。進行中の作業がうまくいったら、4番目のベータの基礎となるでしょう。 私たちは、最速のタイムスケールで最良のブラウザを出荷したいと願っています。毎週行なわれるミーティングでは、製品が現状からどこまで改善できるかが評価されます。Firefox 3 と銘打つのに充分な、品質、使いやすさ、そしてパフォーマンスを確立したとき(その判定は関わっている全員によって行なわれます)、製品がリリースされるのです。 <引用部分おわり> 「いつ次のバージョンが出るのか?」という質問に対して、“When it’s ready”(準備ができたら)という短い回答で済まされることが多い。“When it’s ready” のより的確な説明を探しているのなら、Beltzner の発言を引用するか、この記事にリンクしていただきたい。 以下、訳者による余談。 Beltzner に丸投げかい、とか、Mozilla: For the Record ってエントリ 4つで終わりかい、はさておき。 Mozilla suite の時代には、スケジュールの類と言えば Mozilla 開発ロードマップ くらいしかなかった。 ロードマップの大改訂で、あわてて翻訳作業していたのも今は昔。 予定表はあってもあくまで予定で、おおまかな目安にしかならない、というのは経験則で暗黙の了解だったわけで、スケジュール通りにリリースされる方が珍しかった。 とは言え、「スケジュールなんか飾りです」(誤訳)な公式文書は他に見た覚えがないので、翻訳してみたわけだが、1年以上前の文書なので、すでに誰かが取り上げているのではないかと思う。 ま、気分はセミリタイアなので、こだわりませんが(^^; |
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